マルチクラウド・アカウントの課題を解決するCloudHealth
これらの課題を解決できるソリューションとして注目されているサービスがCloudHealthです。CloudHealthは、主要クラウドであるAWS ( Amazon Web Serivices )、Microsoft Azure、GCP (Google Cloud Platform )に加え、VMware vSphereによるプライベートクラウド環境にも対応し、マルチクラウド/アカウントを横断して管理することができます。CloudHealthを活用することで、マルチクラウド/アカウント環境の下でも利用状況を可視化し、コストの最適化やセキュリティの改善が容易になります。
CloudHealthが提供する機能は、可視化、最適化、ガバナンスの3つに分かれます。可視化機能は、直近の利用状況の表示や、未来の利用料金の予測などの分析を提供します。ユーザー単位、組織単位、アプリケーション単位など、様々な観点でカテゴリ分けして分析することができます。さらに、オンプレミスからクラウドに移行する際のコストシミュレーションも行うことができます。
さらに、CloudHealthには、Perspectivesと呼ばれる論理グルーピング機能があります。クラウド側の設定を変更することなく、リソースの種類や、システムの種類など様々な切り口で、CloudHealthが収集した情報を柔軟にグルーピングし、一元管理や分析することができます。
「もちろん、複数のクラウドを跨ぐシステムであってもグルーピングできます。たとえば、CRMやERPなど、システムの用途ごとにコストを可視化するといった作業を簡単に行えます。」(竹内氏)
またCloudHealthは、使用状況を元に、リザーブドインスタンスによるコスト最適化も提案してくれます。クラウドのコスト計算を手作業でやろうとするとかなり煩雑です。もちろん純正ツールであれば自動化できますが、マルチクラウド/アカウントには対応していません。
「CloudHealthは、クラウドごとに最適なコスト計算のためのロジックを内蔵しているので、マルチクラウドにおけるリザーブドインスタンスのコスト計算の手間を、大幅に削減することができます。」(竹内氏)
3つ目の機能がガバナンスです。まずセキュリティ設定を、各クラウドベンダーが推奨しているベストプラスクティスに違反していないか、自動的にチェックすることができます。さらに、独自のポリシーを定義し、違反を検知した際にアラートを出す機能もあります。
「たとえば、EC2インスタンスが一定時間稼働し続けたら自動停止したり、予算の80%以上を消化したらアラートを出したりすることができます。このように、個別のクラウド自体では設定することができない柔軟なポリシーを定義し、運用管理の効率化ができます。」(竹内氏)