課題を解決

最短距離で成功させる VMware vSphere 8.0アップグレードへの道
見落としがちなチェックポイントを徹底解説

2023/08/15

コンテンツ提供:SB C&S株式会社

VMware vSphereのライフサイクル サポートがジェネラル サポートからテクニカル ガイダンスに移ると、セキュリティのパッチやバグの修正、新規ハードウェアのサポート、ゲストOSのアップデートなどが提供されなくなるため、できる限り早期のアップグレードが望まれます。vSphere 8.0へのアップグレードをより確実に、なおかつ短期間で成功させるために何が必要なのか、SB C&Sのエンジニアの市島氏・山田氏が解説します。

市島 拓弥 氏
市島 拓弥 氏
(VMware vExpert 2023)
山田 和良 氏
山田 和良 氏
(VMware vExpert 2023)

目次


vSphere 8.0アップグレードの基礎知識

vSphere 8.0アップグレードの流れ

vSphere 8.0へのアップグレードに際して、まず全体の作業の流れを把握しておきましょう。大まかなステップは次の通りです。

  1. 事前準備
    現在利用中のvSphereバージョンのアップグレードパスを確認します。続いてvSphere 8.0のリリースノートなども参考にしながら、ハードウェアとソフトウェアの両面からの互換性の確認、および既存製品との相互運⽤性の確認を⾏います。
  2. 既存のvSphere構成のバックアップ
    仮想マシン、ESXi ホストの構成、vCenter Serverのバックアップを行います。
  3. vCenter Serverのアップグレード
  4. ESXi ホストのアップグレード
  5. 仮想マシンおよび仮想アプライアンスのアップグレード


vSphere 8.0へのアップグレードを確実かつ最短で成功させるため、上記のステップの中でも特に重要な鍵を握るのが事前準備です。アップグレードの条件や注意すべきポイントなどを前もってしっかり押さえておくことが、途中の挫折や手戻りを防ぎます。

vSphereバージョンごとにアップグレードパスが異なる

vSphere 8.0へのアップグレードに先立って必ず確認しておかなければならないのが、現在使用しているvSphereバージョンの確認です。どのバージョンからvSphere 8.0へ向かうのかによって、アップグレードパスが異なるためです。

現在使用しているのがvSphere 6.7または7.0であれば、直接vSphere 8.0へのアップグレードが可能です。

しかし現在使用しているのがvSphere 6.5である場合、いったんvSphere 6.7または7.0へアップグレードしてからvSphere 8.0へアップグレードするという2段階の作業が必要となります。

ハードウェアの互換性確認

公開ツールを利用して互換性を確認

vSphere 8.0へのアップグレードに際しては、既存のハードウェアがvSphere 8.0をサポートしているのかどうか。互換性の有無を確認しておく必要があります。

VMwareがWebで公開しているVMware Compatibility Guideを利用し、認定済のハードウェアの組み合わせを確認することができます。

VMware Compatibility Guideの使用例

Dell Technologiesのサーバ製品を例にとり、既存のハードウェア上でvSphere 8.0へのアップグレードが可能なのかどうか、VMware Compatibility Guideを使って確認してみましょう。

パートナー欄で「Dell」を選択し、機種名で「R650、R640、R630、R620」を入力します。

2023年7月現在

この結果、Dell PowerEdge R650(15世代)およびDell PowerEdge R640(14世代)がESXi 8.0 U1にアップグレード可能であることがわかりました。

ちなみにDell PowerEdge R630(13世代)はESXi 7.0 U3までしかアップグレードできず、Dell PowerEdge R620(12世代)はアップグレードそのものが不可であることも明らかになりました。

2023年7月現在

VMware vSANのアップグレードについてもハードウェアの互換性確認が必要

vSANを利用している場合は、vSphereと同じタイミングでバージョンを揃えたアップグレードを行うことが原則となります。

したがってvSphere 8.0アップグレードと併せてvSAN 8.0へのアップグレードを行うにあたり、vSAN用ハードウェアについても互換性の確認しておくことが必要です。この作業でもVMware Compatibility Guideを利用できます。

2023年7月現在

ソフトウェアの互換性確認

ハードウェア面での確認ができたなら、次にソフトウェア面での確認をします。

ゲストOS の互換性

まず確認するのはゲストOSの互換性です。この作業でもVMware Compatibility Guide を利用することができます。

検索カテゴリで「Guest OS」を選択し、アップグレード対象のESXi(ESXi 8.0U1、ESXi 8.0)を選択します。また必要に応じてOSタイプを選択します。

2023年7月現在

この結果として、サポート対象OSの一覧が表示されます。併せてvSphere 8.0上での実行は可能なもののベンダーのサポートは終了した「Legacy」、vSphere 8.0ではサポート対象外の「Deprecated」のOSも表示されます。

2023年7月現在

vCenter Server とESXi の互換性

ESXi 8.0を管理できるのはvCenter Server 8.0 のみです。したがってESXiホストをアップグレードする前にvCenter Serverのアップグレードを行う必要があります。

vSphereと連携しているその他製品との互換性

vSphereと連携している他のVMware製品、サードパーティ製品に対する互換性の確認も重要なポイントです。既存で利用している製品がvSphere8.0に対応しているか確認します。

特に既存環境でNSXを使用している場合は注意してください。

2023年7月現在

まとめ

vSphere 8.0 にアップグレードする際には、現在利⽤中のハードウェアやソフトウェアについて以降も互換性が保持されるのかどうか、事前にしっかり確認しておくことが重要です。

その後に続く、アップグレード作業はどういう順番で行うのか、アップグレードができない場合はどうしたらよいのか。既存のvSphere環境に応じたさまざまな課題の回避策については、下記の解説動画にてSB C&Sのエンジニアが詳しくお伝えします。

そのままアップグレードして大丈夫?
vSphere 8.0 アップグレードで押さえておくべき注意点

既存の VMware vSphere 環境を VMware vSphere 8.0 にアップグレードすることを検討している⽅を対象に、
アップグレードするための流れ、要件、注意点から、具体的なアップグレード⽅法やマイグレーション⽅法をご紹介します。

詳細と動画視聴はこちら

※SB C&S株式会社が運営するWebサイト「VMware ソリューション」の動画ページに移動します

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