既存のIT資産の管理からの解放はもちろん、AIやIoT への注目度が増している昨今、メガクラウド利用の検討が加速しているのではないでしょうか。一方で、本格的に検討を行うと
- ハイパーバイザの違いはどう吸収すれば・・・?
- どうしてもポリシー上オンプレミスに残す必要のあるサーバの管理は・・・?
- そもそも新しいインターフェースを使いこなせる・・・?
など、「メガクラウド採用に向けて解決すべきポイントがいくつも出てくる」事を経験しているお客様もいらっしゃると思います。
ここではメガクラウド利用時に懸念となる部分を解決する
- ハイブリッドクラウド
- マルチクラウド
という二つの活用手法をご紹介します。
クラウド利用時のハードル
単に「パブリッククラウドを利用する」事だけを考えると、契約をして、Webコンソールにアクセスすれば簡単に利用を開始することができます。一方でそれを本格的に使おうとすると様々な課題が現れます。特にほぼ全てのお客様で課題となるのは、「オンプレミスからの移行」に関する課題です。
オンプレミス環境でvSphere をお使いの場合、ほとんどのメガクラウドとはハイパーバイザレベルで互換性がありません。するとハイパーバイザの異なる環境間で仮想マシンを移行するために「仮想マシンの変換」が必要となります。仮想マシンの変換のためのツールは各クラウドベンダーが提供しておりますが、厳密には正しく動作するか検証を行う必要があり、簡単に移行できない原因の一つとなっています。
また、可用性に関する検討やシステムの改修も必要になります。
一部のメガクラウドでは「vMotion(ライブマイグレーション)」や「vSphere HA」のようなオンプレミスでは当たり前となっている可用性担保機能を提供していない場合もあります。
これによって「メンテナンス時はホストが停止する可能性があること」や「ホストの障害発生時のHAに代わる機能がアプリに求められること」を考慮に入れたアプリケーションの設計が必要になります。ほとんどのオンプレミスのアプリはこうした「クラウド向けの設計」がなされていないので、これも移行を妨げる要因となります。
ほかにも新しいコンソールに慣れる時間が必要になる事があるなど、メガクラウドを本腰になって使おうとすると何かとつまづきポイントが存在します。
こうした懸念点を解消する方法はいくつかあり、ここでは2つご紹介しようと思いますが、はじめにメガクラウドも vSphere 基盤として管理してしまう「ハイブリッドクラウド」というアプローチからご紹介します。