【2023年6月8日】
ヴイエムウェア株式会社は本日、新宿区とクラウドスマート※に向けた連携協定を締結しました。この協定に基づき、ヴイエムウェアは新宿区におけるクラウドスマート指針の策定における技術協力、クラウド人材の育成を行いデジタル化のさらなる推進に向けて協働した取り組みを展開します。
新宿区ではシステムの標準化、インフラコスト削減・運用負荷軽減など、行政のデジタル化への対応を目的に、クラウドサービスの活用を予定しています。同区はクラウド活用の検討を進めるうえで浮き彫りとなった以下の課題を解決すべく、ヴイエムウェアとの技術連携協定の締結を決定しました。
- クラウドサービスへの移行に伴うICTガバナンスの維持・継続
- システム規模やニーズに応じた最適なクラウドサービスの選定・活用
- 最適なクラウドサービス選定に求められる技術スキル習得・運用ノウハウ蓄積
具体的には、新宿区とヴイエムウェアの間で以下の分野において協働することを合意し、連携協定を締結しました。
- システム運用及びクラウド活用に係るニーズや課題整理
- 各種クラウドサービスの仕様や制約事項等を把握し、適正に評価するための仕組みづくり
- クラウド活用に係る基本方針の明確化
- クラウドサービスの最適な活用を実践できる人材の育成
上記の課題解決に際しては、クラウドに関する技術的知見のみならず、様々なICT分野に精通している必要があります。そこで、特定のメーカーや製品に偏重することなく、高い専門知識・経験に基づき総合的な視点で現状分析、改善提案が可能なヴイエムウェアとの技術連携協定の締結に至りました。
村田 新 氏
新宿区 総合政策部 情報システム課 課長補佐
クラウドスマートについて
2010年、米国政府の唱えた「クラウドファースト戦略」は、クラウドを利用して、より早いイノベーションを起こすために進められてきた施策です。しかしながら、クラウドも1種類だけでなく複数のクラウドが存在し、その上で稼働するアプリケーションも既存のものから新しく開発されるものまであり、偶然にせよ、意図的にせよ、クラウドの利用者のうち73%が今日時点で既に2つ以上のクラウドを利用しています。また、妄信的なクラウドに対するイメージのまま、個別にクラウドが検討されると、クラウド間で分断されるだけでなく、システムごとにセキュリティ・ネットワークがバラバラに実装され、設計・構築・運用を別々に行うことになります。その結果、それぞれのクラウドに特化した人材が求められることになり、複数のクラウドを使うこと自体がサイロ化の原因となってしまいます。加えて、特に行政機関のIT基盤は、保持しているデータやシステムが社会インフラを担っており、データやシステムの重要性によっては、世界的に経済安全保障の観点からもクラウド選択を十分に考慮する必要があるとされてきています。
このように、様々な要因と今後の変動要素を踏まえると、クラウドの選択は多岐に渡ります。そして、そのような判断の連続によって、クラウドを自由に選んだ結果、陥ってしまった状態を「クラウドカオス」と呼び、多くのお客様がクラウドカオスに陥っている、もしくは今後陥る可能性があります。
これまで「クラウドファースト戦略」を先んじて取り組んだ米国政府ですが、このようなクラウドカオスの状態からの脱却をするために、2019年からは「クラウドスマート戦略」に転換し、システムの特性に合わせて、プライベートクラウド・パブリッククラウド・ハイブリッドクラウドを適切に選択していくことを推進しています。ヴイエムウェアは、複数のクラウドの個別利用がサイロ化を生じさせることを防ぐために、クラウドを横断的に一体性を持って設計・運用することで、複数のクラウドを利用することにより生じるサイロという課題を解決し、クラウドの選択を阻害せずに実現するマルチクラウドの世界をサポートします。
現在、日本の行政機関においても、ガバメントクラウドを始めとしたクラウド利用の推進がされ「クラウドスマート」の必要性が高まり、クラウドへの移行に伴う課題を解消すべく、クラウドスマート指針の整備・策定に取り組まれるお客様が増えています。