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クラウドネイティブにはソフトウェア型ロードバランサーが最適な理由とは? 〜 ユースケース別に見る優位性 ~(2/3)

2021/05/14

ユースケース別 NSX Advanced Load Balancerがもたらすメリット

それでは実際の利用シーンでは、NSX Advanced Load Balancerを利用することでどのようなメリットがもたらされるのでしょうか。具体的なシチュエーションを想定しながら、詳しく見ていきましょう。

ユースケース 1 : 新規サービス立ち上げの高速化

新しくサービスを立ち上げるケースを想定してみましょう。従来型のロードバランサーでは、サイジングや製品選定などの購買フェーズ、ネットワークなどの設計フェーズ、そして物理的なラッキングなどの構築フェーズを経ると、ロードバランサーの準備に1ヶ月以上掛かってしまいます。またアプリケーションのデプロイ時にも、仮想IPの払い出しやDNSの登録といった煩雑な作業が発生します。アプリケーション開発者が数日〜1週間待たされ、ネットワーク担当者は運用負荷に悩まされることがしばしば起こります。

一方、NSX Advanced Load Balancerでは、インテントベースによるデプロイの自動化で、10分以内にロードバランサーを提供できます。すなわち、ソフトウェアベースで何のアプリケーションをどのサーバに振り分けるか定義すれば、環境のプロビジョニングをNSX Advanced Load Balancerが自動的に行います。さらにセルフサービスポータルを利用すれば、開発者自身が必要なタイミングで、直ちに構築作業を実施することが可能です。その結果、リードタイムは大幅に短縮され、従来よりも遥かに迅速なサービス提供が可能になります。IDCの調査によれば、NSX Advanced Load Balancerを利用することで、ロードバランサーの管理は従来の方式と比較して43%も効率化し、拡張に要する時間は97%もスピードアップします。このように、NSX Advanced Load Balancerはアプリケーション開発者とネットワーク担当者の双方に大きなメリットをもたらします。

※ IDC によるホワイトペーパー『The Business Value of VMware NSX Advanced Load Balancer: A Study of Enterprises Using Next-Generation Application Delivery』(VMware による委託調査)、Brad Casemore and Matthew Marden、2020 年 10 月

ユースケース 2 : ビジネスの成長に合わせた環境の変化

ビジネスの成長は、時に急激なトラフィックの増加をもたらします。例えばECサイトでは、セールなどに合わせてたくさんのお客様が訪問します。しかし従来型のロードバランサーでは、トラフィックに応じて迅速にスケーリングすることが困難です。冗長性を重視したActive-Standby構成では、容易にスケールアウトすることはできませんし、ハードウェアアプライアンスでは、CPUリソースの追加はできず、買い替え以外にスケールアップすることができません。

完全ソフトウェアベースのNSX Advanced Load Balancerであれば、伸縮自在なActive-Active構成によって、インスタンスの数を増やすスケールアウトや、CPU等のリソースを追加するスケールアップを、自動またはオンデマンドで実行することができます。NSX Advanced Load Balancerのキャパシティは最大で1,000,000 SSL TPSにも上り、大規模なサービスや急激なトラフィック増加にも柔軟に対応することが可能です。

またビジネスに追随するためには、IT環境も柔軟に変化する必要があります。そのためには、特定の環境へ依存したロードバランサーの構成は望ましいものではありません。複数のクラウドの良いところを活用できるマルチクラウドや、オンプレミスを含めたハイブリッドクラウドにも対応する必要があります。しかし従来型のロードバランサーでは、環境をまたぐキャパシティの移行は困難です。例えば、ハードウェアアプライアンスの余剰リソースを、パブリッククラウド側で利用することはできません。また、ロードバランサーの稼働環境ごとにデプロイや設定を行う必要があり、規模が大きくなるほど運用管理の負荷は増大します。クラウドとの連携も限定的で、高度な自動化には対応できません。

一方、NSX Advanced Load Balancerでは、あらゆる環境のキャパシティを共有し、かつ単一のコントロールポイントから全体を制御することが可能です。例えばオンプレミスの余剰リソースを、そのままパブリッククラウドに移行することができます。また、ロードバランサーを環境ごとに個別管理する必要はなく、デプロイや設定を一箇所で集中管理することができます。そして仮想IPアドレスの払い出しやDNSの設定といった作業も、クラウドと連携して自動化できます。その結果、ロードバランサーを特定の環境に限らず、あらゆる環境で一貫したポリシーで運用し、用途に応じた柔軟な変更が可能になります。

実際にNSX Advanced Load Balancerは、SDDCを含むオンプレミス、パブリッククラウド、コンテナベースのシステムなど、既にあらゆる環境で活用されています。具体的なユースケースとしては、オンプレミスにおけるロードバランサーの集中管理や高度なリアルタイム分析、パブリッククラウドを跨いだ一貫した管理と自動化、Kubernetesと連携したマルチクラウド・マルチクラスター対応の負荷分散などが挙げられます。このようにNSX Advanced Load Balancerは、多様化するインフラのニーズに柔軟に対応できます。

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