ネットワーク仮想化は大規模なインフラを運用する際に導入する技術で、活用は難しいという先入観を持っている企業が少なくありません。しかし、それは大きな“誤解”です。ヴイエムウェアのネットワーク仮想化技術であるVMware NSX®は、サーバ3台程度で構成された比較的小規模なインフラにも画期的なメリットをもたらします。
サーバ仮想環境で顕在化するネットワークの課題とは
ネットワークの問題は規模とは無関係
VMware vSphere®によるサーバ仮想化は、物理サーバ台数の削減とリソース利用効率の向上、ハードウェア調達時間の短縮、システム運用管理に携わる人員や作業工数の大幅な削減など、多くのメリットをもたらしました。しかし、ネットワークに目を向けると依然として多くの課題が残されています。それは大規模な仮想環境に限った話ではありません。むしろサーバ3台程度といった小規模な仮想環境ほど、ネットワークにまつわる問題が相対的に大きくクローズアップされることになります。
限られたネットワーク管理者がすべての機器に対応
小規模なサーバ仮想環境であっても、当然のことながらスイッチやルータ、ファイアウォール、ロードバランサなどのネットワーク機器は必要です。ところが小規模なサーバ仮想環境を運用している企業は一般的にIT部門も少人数体制であり、サーバ管理者と兼任もしくは1人のネットワーク管理者が、これらの物理機器のすべてに対応しなければならないケースが珍しくありません。
事前の社内調整に膨大なリードタイムを浪費
新規にネットワークセグメントを追加する場合、既存のシステムへの影響を避けるための社内調整に多大な手間がかかります。結果、作業完了までに数週間以上かかってしまうこともあり、ビジネス環境の変化に俊敏に対応することができません。
また、さまざまな作業を兼務しているネットワーク管理者が万一オペレーションミスを起こした場合、その影響が他のシステムにも及ぶ恐れがあるなど、インフラからリスクを排除することができません。
脆弱な民生品クラスの機器でネットワークを運用
小規模なサーバ仮想環境ではインフラ全体のコストを削減するために、量販店で購入した民生品クラスのネットワーク機器を利用しているケースが見られます。こうしたネットワーク機器はエンタープライズクラスの製品と比べて信頼性や耐久性が劣るだけでなく、不正侵入は乗っ取りなどのセキュリティもきわめて脆弱です。