適材適所のマルチクラウド利用で直面する課題
エンタープライズにおけるクラウド利用の実態
ヴイエムウェアが行った調査によると、2016年から2017年の1年間でパブリッククラウドを利用する企業の割合は56%から77%に拡大。さらに、オンプレミス(プライベートクラウド)と複数のパブリッククラウドを適材適所で使い分ける、いわゆるマルチクラウドを指向する企業も63%に達しています。
実際にパブリッククラウド上で動いているワークロードの割合はまだ6%にとどまっていますが、「SoE(System of Engagement)」や「モード2」などと呼ばれる新たな事業創出や利益拡大の原動力となるシステムの大半は、いまやクラウドネイティブなアプリケーションによってもたらされています。こうした動向を考えたとき、企業のクラウド利用は確実にマルチクラウド/クロスクラウドに移行していくと予想されます。
マルチクラウドの課題
ただし、複数のクラウドを使いこなすのは容易なことではありません。「異なるクラウド間で同等のセキュリティやコンプライアンスを担保できない」「コストがどんどん膨らんでいく」「クラウドごとにバラバラの運用管理を行わなければならない」「アプリケーションがサイロ化する」といった問題が次々に生じてきます。
IT部門は、こうしたマルチクラウドの複雑性に起因するリスクを軽減すると同時に、ビジネスの俊敏性を向上しなければなりません。
一貫したインフラストラクチャと運用をマルチクラウドに提供
VMware Cloud on AWS
ヴイエムウェアでは、VMware vSphere®を基盤としたSDDC(Software-Defined Data Center)のソリューションをAWS(Amazon Web Service)に拡張するVMware Cloud™ on AWSを提供しています。これによりAWS上でもオンプレミスの仮想環境と同じ管理画面(VMware vCenter®)を利用し、仮想マシンやストレージ、ネットワークなどのプロビジョニングおよび運用を行うことができます。オンプレミスとAWSをシームレスにつないだ幅広いユースケースに対応することが可能です。
四半期ごとに新機能を追加
VMware Cloud on AWS初期リリースの特徴は下図に示すとおりですが、四半期ごとに新機能を追加していく予定です。また、2018年第四四半期からはAWSの東京リージョンからもVMware Cloud on AWSの提供を開始する予定です。
VMware Cloud Providers
現在、世界100か国以上、4,000社を超えるグローバルパートナーがVMware vSphereを基盤としたパブリッククラウドを展開しています。ヴイエムウェアはこれらのパブリッククラウドに対しても、VMware Cloud on AWSと同様の一貫したインフラストラクチャと運用を提供しています。
VMware HCX テクノロジー
VMware Cloud on AWSやVMware Cloud Providersによるマルチクラウドを支える、最も重要な機能の1つがVMware HCX テクノロジーです。
オンプレミスと各パブリッククラウド間でアプリケーションやデータの互換性・可搬性を維持すると共に一貫したセキュリティを提供します。また、WAN最適化によりオンプレミスと各パブリッククラウド間の通信を効率化し、ダウンタイムなしのアプリケーション移行を実現します。オンプレミス側で旧バージョンのVMware vSphereを運用している場合も、最新バージョンとの差分をVMware HCX テクノロジーが吸収して互換性を維持し、柔軟なアプリケーション移行を支援します。