クラウド利用の拡大によりWANの見直しが急務に
WANトラフィックの多様化が加速
企業のクラウド活用が増加するにつれ、WANのトラフィックが大きく変化しています。従来ほとんどのトラフィックがオンプレミスのデータセンターに集中していたのが、現在ではOffice 365やSalesforce、あるいはテレビ会議/Web会議などのクラウドサービスへと急速にシフトしているのです。これらクラウドサービスに流れるWANのトラフィックは、すでに全体の30~50%に達しているとする調査結果もあります。
情報システム部門が抱える課題
WANを流れるトラフィックがクラウドサービスにシフトしているなか、その実態に即してWANの運用形態そのものを見直していく必要があります。しかし、情報システム部門は下記のような課題を抱えており、対応は容易ではありません。
- コストの削減
様々なビジネスでITを利用するユーザーの拡大に伴い、増加したトラフィックがネットワーク回線の帯域を逼迫させています。対策は“待ったなし”ですが、IT予算が増額される見込みはなく、むしろ経営陣からはさらなるコスト削減が要求されています。 - 運用管理・体制
情報システム部門は慢性的な人手不足の状況にあり、特に中堅以下の企業では総務部門や経理部門のごく少数の担当者がITの運用管理を兼務している「一人情シス」も珍しくありません。このように情報システム部門は既存システムの維持に手いっぱいで、WANを見直したくても人材を用意することができません。 - クラウドの活用
情報システム部門がこのような課題を抱えていたとしても、ビジネスは、さらなるスピードアップが求められ、クラウド活用は加速していきます。この状態を放置すると、待ちきれない業務部門やユーザーが独自の判断で勝手にクラウドサービスを使い始めるなど、ITガバナンスが失われてしまう恐れがあります。