アプリケーションのモダナイゼーションで注目されるコンテナは、軽量・高速・可搬性に優れた便利な仮想化技術です。そしてコンテナのオーケストレーションツール「Kubernetes」の台頭により、コンテナの利用規模はさらに大きく広がっています。
本記事では従来のIT資産を活かしながら、Kubernetesの導入や運用で生じる様々な複雑さを解決し、コンテナ活用をさらに推し進めるVMware Tanzu の概要とライセンスについて解説いたします。
VMware Tanzu
VMware Tanzu はKubernetes 環境におけるモダンアプリケーションの構築・実行・管理を変革するサービスポートフォリオ / 製品群です。複数のクラウドにわたるKubernetes フレームワークの実行と単一のコントロールポイントからの包括的な管理を行い、アプリケーションの開発と運用の効率化を支援します。
- Build (構築):モダンアプリケーションの開発や開発者のエクスペリエンスを最大化する開発フレームワークを提供します。
- 製品:VMware Tanzu Application Platform , VMware Tanzu Build Service など
- Run(実行):Kubernetes を最適に動かす実行環境を提供します。
- 製品:VMware Tanzu Kubernetes Grid
- Manage(管理):あらゆる環境で動いているKubernetes 環境を単一のコントロールプレーンから一元管理を行うプラットフォームを提供します。
- 製品:VMware Tanzu Mission Control, VMware Aria Operations for Applications (旧 VMware Tanzu Observability ) など
また、お客様と一緒に伴走しながら、新規サービス/アプリケーションの開発、アプリケーションのモダナイゼーション、プラットフォームの構築・運用支援などを行うコンサルティングサービス“VMware Tanzu Labs”を用意しています。旧Pivotal Labs時代から数えて既に30年以上の歴史の中で培われたリーン・アジャイル開発に係るプラクティス、ノウハウ、考え方などをお客様に伝授する他社にはないユニークなサービスとなっています。
ライセンス体系
VMware Tanzuのライセンスは、サブスクリプション型のライセンスとなり、Tanzu Kubernetes Grid、VMware Tanzu Standardという2つのエディションが用意されています。また、上記エディションに加えて、VMware Tanzu Application Platform、VMware Tanzu for Kubernetes Operationsの2つのバンドル製品が提供されています。
Tanzu Kubernetes Gridは、オンプレミス、パブリックウラウド、エッジなど複数のクラウドをまたいでKubernetesの実行ができる、標準的なKubernetes Runtimeです。
VMware Tanzu Standard は、Tanzu Kubernetes Gridに加え、Kubernetes Cluster の作成や管理を行うTanzu Mission Control が含まれるため、環境全体で一貫性のある効率的な運用が可能となります。また、開発者はセルフサービスにてリソースにアクセスすることができアプリケーションの開発と提供に集中することができます。
Tanzu Application Platformは、Kubernetesを中心としたDevSecOps環境を構築するお客様向けの製品です。コンテナイメージを自動ビルドするTanzu Build Serviceや、ソフトウェア・サプライチェーンを管理するSupply Chain Choreographerが含まれており、開発環境から本番環境への展開を自動化・標準化・迅速化することができます。
Tanzu for Kubernetes Operationsは、複数のKubernetesを本番環境で運用するお客様向けの製品です。VMware Tanzu standard エディションに加えて、運用監視の仕組みであるAria Operations for Applications や、通信を保護するTanzu Service Meshが含まれているため、よりセキュアかつ効率的な運用が可能となります。
各エディション、バンドルでご利用いただける機能概要は下記の表をご参照ください。
※本記事では、VMware TanzuをもとにVMware Tanzuのライセンスをご紹介しています。