スマートフォンをはじめとする多様なデバイスの急速な普及により、企業システムの利用環境が大きく変わろうとしています。スマートフォンやタブレットを使い、いつでも、どこからでも欲しい情報にアクセスし、自ら情報を発信・共有することが、今や私たちの生活の一部となりました。このようなモビリティの高さは、企業においても、グローバル化、生産性向上、事業継続性の確保などに寄与するものとして注目されています。本稿では、これら多様化するスマートデバイスの有効活用を前提に、これからの企業システムが目指すべき方向性について説明します。
これまでにないスピードで普及する新しいデバイス
スマートデバイスは、これまでにないスピードで普及しています。かつて、パソコンの利用ユーザ数が1億人を超えるまでに、20年以上の時間が必要でした。しかし、スマートデバイスの利用ユーザ数は、たった5年で1億人を突破し、この流れは今後も止まらないと言われています。
急速に普及するスマートデバイスの特長
- デバイスの普及がこれまでにないスピードで進行
- OSやハードウェアの種類が多様化
- BYOD含めたスマートデバイスのビジネス利用が進む
企業における新しいアプリケーションの増加
スマートデバイスが日常生活に浸透したことで、ユーザは、普段、自分が使っているデバイスと同じエクスペリエンスを潜在的ないしは明示的に企業システムに対して求めるようになりました。アプリケーション開発は、モバイルでの利用を前提に進められるようになり、開発プロジェクトの数は従来よりも増えると考えられています。SaaSのようにブラウザで利用するアプリケーションも増えており、今後は、従来のWindowsとIEに依存するものを含め、様々なアプリケーションが利用されるようになります。
マルチデバイス化による企業システムの変化
- ユーザは、日常生活で使うデバイスと同じエクスペリエンスを期待
- アプリケーション開発がモバイル利用を前提に進められる
- 企業内で利用されるアプリケーションが多様化