仮想基盤を運用していると事業部門からの依頼などにより、仮想マシンの数がどんどん増えていきます。それらの仮想マシンはどんな状態で動いているでしょうか。知らず知らずのうちに性能劣化や障害発生の原因となっている場合があります。とはいえ、少数の管理者しかいない運用体制では仮想基盤を監視し続けることは困難です。VMware vRealize Operations Managerはこの課題を「ワークロードの最適化」「仮想マシンの適正化」「キャパシティの最適化」の3つのアプローチから解決し、仮想基盤全体のパフォーマンスを向上するとともに安定的な運用を実現します。
ワークロードの最適化
仮想マシンの増加に伴い顕在化するパフォーマンス問題
仮想マシンが増えてくるに伴い起こりがちなのがワークロードの不均衡です。特定のホストに負荷の重い仮想マシンが集まる一方で、別のホストではほとんど仮想マシンが動いていないといった不均衡が生じてしまうのです。これは仮想基盤にパフォーマンス問題を引き起こす大きな要因となるため、ホスト間で負荷のバランスがとれるように、適切なタイミングで仮想マシンを再配置する必要があります。
VMWare vCenterからVMware DRS(Distributed Resource Scheduler)機能を設定すれば、仮想基盤の負荷状況によって自動的にvMotionを実行して各ホストの負荷を均等に保つことが可能です。ただし、これができるのはあくまでも同じクラスタ内のホスト間のみに限られます。
クラスタをまたいでワークロードを最適化
VMware vRealize Operations Managerを利用すれば、クラスタを越えて仮想マシンを再配置し、ワークロードを最適化することができます。常日頃から把握している仮想マシンの稼働状況から傾向を分析することで、負荷が上昇する前に予測的に仮想マシンを移動し、ワークロードを平準化します。
ポリシーに基づいて仮想マシンを再配置
ただし、仮想マシンが勝手に別のホストに移ってしまうのは問題があるほか、仮想マシンを頻繁に動かすとその処理自体が仮想基盤に重い負荷を与えてしまいます。
そこでVMware vRealize Operations Managerでは、ポリシーに基づいて仮想マシンの再配置を行える仕組みとなっています。例えば下記のような設定が可能です。
- 物理的なCPUにライセンスが紐づいたアプリケーションを稼働させている仮想マシンを移動させない
- データベースなど高速性能が要求される仮想マシンを、潤沢なリソースをもったホストに固定する
- 仮想マシンを自動的に再配置するのではなく、負荷に一定以上の偏りが生じた際に通知し、管理者が個々に判断しながら手動で再配置する。
なお、ワークロードを最適化した結果、仮想基盤全体としてパフォーマンスがどのように改善されたのか、効果を可視化する仕組みも用意されています。