需要予測に基づいたキャパシティ計画
キャパシティ不足にいたるまでの残り時間をシミュレーション
VMware vRealize Operations Managerを利用したキャパシティ管理のもう1つの重要なポイントとして挙げておきたいのは、リアルタイムな需要予測に基づいて、仮想基盤のキャパシティが不足するまでの残り時間が自動的に計算されることです。
残り時間リスクについては、下記の2つのレベルで設定することができます。
保守的
上限予測に基づいた残り時間を算出。予測される上限が利用可能なキャパシティのしきい値を超えるまでの残り時間を示します。
積極的
中間値予測に基づいた残り時間を算出。予測される中間値が利用可能なキャパシティのしきい値を超えるまでの残り時間を示します。
なお、仮想基盤ではリソースの利用効率を高めるために、各仮想マシン割り当てるリソースの合計が物理的なリソースの上限を超えることを許容する、いわゆるオーバーコミットを設定しているのが一般的です。VMware vRealize Operations Managerを利用すれば、このオーバーコミット率を変更することで、将来利用可能なキャパシティがどのように変化するのかもシミュレーションすることが可能です。
シナリオに沿ったシミュレーションで将来のキャパシティを計画
VMware vRealize Operations Managerを利用することで様々なシナリオを設定し、新たなプロジェクトや負荷変化に即応したキャパシティ計画を立てることができます。最もシンプルなシナリオは、下記のようなものになります。
ステップ1
例えば事業部門から新たに要求された仮想マシンを仮想基盤に追加した場合、キャパシティが不足するまでの残り時間がどれくらい短くなるのか確認します。
ステップ2
ステップ1の結果に対して、新たな物理サーバを追加することでキャパシティ不足までの残り時間がどれくらい伸びるか、追加する物理サーバ台数を変えながらシミュレーションすることができます。
まとめ
ここまで説明してきたようにVMware vRealize Operations Managerを利用することで、過去の稼働状況から将来を予測し、ワークロードの最適化や仮想マシンのサイズの適正化を図ることができます。さらに、この予測に基づいて将来のキャパシティ不足問題を回避するための計画を立てることもできます。
同レベルの運用管理を人手で行うことはきわめて困難で、仮にやろうとすれば非常に高度な分析スキルが要求されるとともに膨大な工数を費やすことになるでしょう。
VMware vRealize Operations Managerはそうした煩雑な作業を自動化し、仮想基盤の運用管理にまつわる負担を大幅に軽減します。