ITシステムの利用がオフィスのPCに限られていた時代、情報漏えい防止を目的としたセキュリティ対策やユーザー管理など、ガバナンスを効かせることは比較的容易でした。しかし、モバイルデバイスの急速な普及を背景としたワークスタイル変革が急がれる中で、企業側の基盤整備が後手に回り、ユーザーの離反を招きつつあるのが実情です。セキュリティとユーザーの利便性を両立させるための、新たな仕組みが求められています。
モバイルデバイスの利用拡大に伴うユーザー環境の課題
これからの働き方は、「いつでも、どこでも、どのデバイスでも」が基本。これを支えるユーザー環境をいかに提供していくかが、企業の重要な課題となっています。
モバイルデバイスの利用拡大に歯止めはかけられない
これまでの社員の働き方は、決められた時間(Fixed Time)、決められた場所(Fixed Place)、決められたデバイス(Fixed Device)」のいわゆる「3F」を基本としていました。それが現在では、いつでも(Anytime)、どこでも(Anywhere)、どのデバイスでも(Anydevice)の「3A」へと移行しつつあります。こうしたワークスタイル変革の背景にあるのが、スマートフォンやタブレットに象徴されるモバイルデバイスの高機能化と急速な普及です。
もはやこの流れに歯止めをかけることはできません。何も対応することなく放置を続けたならば、ユーザーが自前の端末をなし崩し的に業務に持ち込み、好きなアプリを使って活動するようになる、いわゆる「シャドーIT」がどんどん進行していきます。
利便性とセキュリティを兼ね備えたデジタルワークスペースが求められる
考えるべきことは、モバイルデバイスやアプリの利用を禁止することではありません。むしろ、多様なデバイスの選択肢ならびにコンシューマー製品と同等の利便性を積極的に提供し、ユーザーにとって働きやすい環境を実現していくことが大切です。
では、そうした中で企業は、どうやってセキュリティを担保し、ガバナンスを効かせることができるか――。この相反する課題を両立して解決するデジタルワークスペースを構築することで、企業はワークスタイル変革を推進することができます。