サポートの打ち切りにより、Windows XPからの移行が「待ったなし」の状況となりました。しかし、XP搭載のクライアントPCは、ローカルでバラバラに運用管理されているケースが多く、人海戦術による移行作業は、業務の中断を招きます。さらに、新OSへの移行時には、これまで「XPからの移行」という決定を先延ばしする要因でもあった、特定OSに依存するアプリケーションの延命に対して、どのようにアプローチするかを考えなければなりません。
新しいOSへのスムーズな移行
Windows XPからの移行を始める際には、クライアント環境の運用管理を含めた様々な問題点が顕在化します。クライアントPCごとにインストールメディアを配布して手作業で移行作業を行う場合、1台につき数時間以上要することもあり、通常業務が止まってしまいます。また、現状のXPの環境では、ユーザデータがバックアップされていないケースが多く、新OSへの移行後すぐに業務を再開することができません。この問題については、単にOSをリプレースすれば解決するという訳ではありません。OSのスムーズな移行が難しいという背景には、「クライアントPCの運用管理の効率化」という、もうひとつの解決すべき問題があるのです。
Windows XPからの移行時における問題点
- ユーザデータがバックアップされていないため、新OSへの移行後にすぐに業務を再開することができない
- クライアントPCごとに、ローカルで移行作業を行うため、時間と手間が必要となる
- クライアントPCの非効率的な運用管理が行われており、ユーザ、IT部門の負荷になっていた
既存アプリケーションの延命
今回のサポート打ち切りの発表まで、Windows XPが10年以上、企業におけるクライアントPCとして使われて来た背景には、IE6を含むXPでしか動作しないアプリケーションの存在がありました。過去、何度も新OSへの移行が検討されて来ましたが、移行に伴うアプリケーションの改修コストを試算した結果、「古いOSを使い続ける」という意思決定が行われて来たのです。これは単にコストだけの問題ではありません。そもそも自社のノウハウが蓄積されたシステムを、ITベンダー側の製品サイクルに合わせてリプレースする必要はなかったのです。
既存アプリケーションの延命における問題点
- アプリケーションの改修に必要なコスト負担が大きく適切な投資とは言えない
- アプリケーションの改修に必要な工数を極小化したい
- 複数のベンダーのアプリケーションを利用しているが、今後のためにも、ITベンダーへの依存度を減らし、自社でシステムのライフサイクルをコントロールできるようにしたい