導入事例

【導入事例】 京都市 様

2021/08/25

VMware vRealize Operations で仮想化基盤全体を可視化、
TAMサービスとの相乗効果でシステムの安定稼働を実現

約146万人の人口を擁する京都市は、市の重要な情報システムを担うプライベートクラウドとして、VMware vSphere による仮想化基盤を構築しました。この基盤を運用していく過程で健全性の担保が重要な課題になっていました。そこで、仮想化基盤の拡張を契機にVMware vRealize Opetationsを導入し、基盤の可視化を実現しました。また、テクニカルアカウントマネージャ(TAM)と組み合わせることで、障害の未然防止や迅速な問題解決、運用の最適化を実現しシステムの安定稼働に貢献しています。

導入前の課題

  • サーバやストレージなどのリソースの使用状況、仮想マシンの稼働状況の効率的な管理
  • 障害原因の切り分けや調査に時間がかかり、根本的な問題解決が遅れることがあった
  • 仮想化基盤が健全に動いているか把握することが困難だった

導入効果

  • 仮想化基盤の稼働状況を定量的なデータとして可視化
  • 予兆検知による障害の未然防止や障害発生時の解決までの時間を短縮
  • TAMサービスによるデータ分析やアドバイスにより、基盤の健全性を担保、運用課題の最短解決を実現

「vRealize Operations による仮想化基盤の可視化とTAMサービスを組み合わせることで、障害の特定や未然防止に大きな威力を発揮しました。両者を活用することで、仮想化基盤の運用課題の解決を最短で進められるのは大きなメリットでした」

京都市 総合企画局 情報化推進室 システム第四課長 寺田 敏隆 氏
京都市
総合企画局 情報化推進室
システム第四課長

寺田 敏隆 氏
京都市 総合企画局 情報化推進室 課長補佐(システム第四係長事務取扱) 上田 覚 氏
京都市
総合企画局 情報化推進室
課長補佐(システム第四係長事務取扱)

上田 覚 氏
京都市 総合企画局 情報化推進室 システム第四担当 髙村 一史 氏
京都市
総合企画局 情報化推進室
システム第四担当

髙村 一史 氏

ICT戦略における重要なインフラとして仮想化基盤を導入

京都府京都市は、三方を山に囲まれ、美しい水と緑に恵まれた、約146万人の人口を擁する山紫水明の都として親しまれています。京都市では、ICTを様々な分野において活用できる有効な手段と考えており、「京都市高度情報化推進のための基本方針」を定め、ICTによる課題解決や魅力創造を推進しています。また情報システムの構築にあたっては、行政事務のさらなる高度化・効率化と情報資産の適切な管理の両立目指し、クラウドの活用促進を掲げています。そして、行政サービスを支える重要な情報を扱うプライベートクラウドの1つとして、VMware vSphere によって構築された仮想化基盤を利用しています。

仮想化基盤を管理する、京都市 総合企画局 情報化推進室 システム第四課長の寺田 敏隆氏は、仮想化基盤導入のメリットについて「それまではユーザーである業務所管課が自らサーバやソフトウェアを調達していましたが、共通の仮想化基盤を用いることで、構築のコストやリードタイムを大幅に削減できました。またリソースや冗長化の仕組みを共有できるので、物理サーバのリソースを無駄なく使い切ることができます」と話します。

京都市 総合企画局 情報化推進室 システム第四担当 髙村 一史氏は、「以前の業務所管課は、物理サーバの調達まで全て自分たちで行う必要がありました。今は仮想化基盤が稼働しているので、当時苦労した点が軽減されて、情報システムの導入が円滑になったと実感しています。また仮想化基盤と両輪で、ガバナンス審査の仕組みや全体の利用規約を整備することで、京都市の情報システム全体の適正な運用を整備することができました」と当時を振り返ります。

vSphere による仮想化基盤は2013年に導入され、当初は6台の物理サーバと20TBのストレージで構成されていました。その後、所管課のシステムを徐々に仮想化基盤に移行しながら規模を拡張し、2016年には24台の物理サーバと158TBのストレージに増強されました。京都市 総合企画局 情報化推進室 課長補佐(システム第四係長事務取扱) 上田 覚氏は、「物理サーバ更新のタイミングに合わせて、段階的にシステム移行を進めることで、円滑に仮想化基盤への移行を促すことができました。一度仮想化基盤で稼働してしまえば、仮想マシンをスムーズに移動できるので、ハードウェアの更新も容易です」と話します。

vRealize Operations で仮想化基盤の運用を可視化 障害の防止や解決時間の短縮を実現

仮想化基盤へシステムを統合していく過程で、いくつかの運用上の課題が浮上してきました。具体的には、様々なシステムが稼働する仮想化基盤において、最適なリソース管理を確立する必要がありました。また仮想化基盤のユーザーが増える中で、安定性を確保しながら問い合わせに迅速に対応する必要がありました。これらの課題を解決するために、仮想化基盤を可視化する運用管理製品として京都市が導入したのが、VMware vRealize Operations です。髙村氏と上田氏は、vRealize Operationのメリットについて、次のように語ります。

「vRealize Operations の導入により、ストレージや仮想マシンの状況など、仮想化基盤が今どのように動いているのか可視化できるようになりました。以前はシステムのレスポンスが遅くなると仮想化基盤が疑われることもありましたが、障害の再現を待たずに過去のデータを調査したり、基盤が正常に動いているかすぐに確認できるので、解決に至るまでの時間を短縮できています。また不安定なサーバを見つけて障害を未然に防ぐなど、トラブルの予兆検知を実現しています」(髙村氏)

「vRealize Operations は、過去半年間の仮想化基盤の稼働状況を、定量的なデータとして確認できるので、障害の解決に役立つツールになっています。障害箇所の切り分けの迅速化やデータから負荷が掛かる箇所を発見するなど、運用の最適化に貢献しています」(上田氏)

専門的知見とデータを組み合わせることが 健全なインフラの維持と迅速な課題解決の秘訣

仮想化基盤はさらに発展が続き、2017年度には、最新のハードウェアに全面的に置き換え、物理サーバを11台に集約した二代目の仮想化基盤が稼働し始めました。その際に京都市が直面していた課題は、稼働状況の妥当性を検証することでした。上田氏は「仮想化基盤を構築して動かすところまではできても、運用こそが難しいと感じています。仮想化基盤が、余裕を持って安定しているかどうか、想定したパフォーマンスが出ているかなどを見極めるのは難しかったです」と振り返ります。またパッチ適用や効果的なセキュリティ対策など、より安全に運用できる体制を整備することも課題でした。そこで、二代目の仮想化基盤の稼働時に、京都市が併せて導入したのが、TAMサービスです。TAMサービスとは、VMwareのプロフェッショナルサービスの1つで、お客様のシステム運用を支援するサービスです。お客様専任のTAMが定期的な報告会や、運用のお困りごとへのアドバイスを通して、安全・安心な仮想化基盤の運用体制維持に貢献しています。具体的には、vRealize Operations を活用した分析を通して、仮想化基盤が健全に稼働しているか確認するとともに、最新のセキュリティインシデントやパッチ情報、適切な設定方法などを提供しています。髙村氏と上田氏は、TAMサービスのメリットについて、次のように語ります。

「vRealize Operations による仮想化基盤の可視化とTAMサービスを組み合わせることで、障害の特定や未然防止に大きな威力を発揮しました。両者を活用することで、仮想化基盤の運用課題の解決を最短で進められるのは大きなメリットでした」(髙村氏)

「TAMサービスが専門的な見地から、仮想化基盤の健全性をチェックしてくれるので、安心して仮想化基盤を運用することができます」(上田氏)

ユーザーが安心して利用できる仮想化基盤へ

二代目の仮想化基盤は、現在29台の物理サーバにまで拡張され、約450台の仮想マシンが稼働しています。仮想化基盤上では、市民向けの公開サーバ、行政事務、市民サービスを担う基幹システムなど、様々なシステムが利用されています。寺田氏は、「クラウドファーストの方針により、システム更新のタイミングで仮想化基盤を利用するシステムが増えています。所管課がシステム構築を検討する際は、仮想化基盤の利用について相談が来るようになりました。ユーザーから見ても安心して利用できる仮想化基盤になったと感じています」と語ります。京都市は仮想化基盤の安定性と管理の効率性を高く評価しており、今後システムを行う際にも、VMware製品およびサービスの利用を検討していきたいという意向を示しています。

また、令和2年12月25日に総務省において「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」が策定されました。各自治体においては、デジタル技術やデータを活用して住民の利便性を向上させるとともに、デジタル技術やAI等の活用により業務効率化を図り、行政サービスの更なる向上につなげていくことが求められています。京都市は、こうした状況も踏まえ、日進月歩で進化するICT技術を適切に活用し、業務効率と生産性の向上に不断の検討を重ねながら、市民サービスの更なる向上と行政の効率化に努めていきたいと考えています。

プロジェクトメンバー

お客様情報

お客様名 京都市
WEBサイト https://www.city.kyoto.lg.jp/
カスタマープロフィール 京都府京都市は、伝統産業から最先端産業が共存する「ものづくり都市」であり、市内を中心に数多くの大学が集積している「大学のまち」でもあります。また神社仏閣や史跡、雅な文化が今でも色濃く残る人気観光地でもあり、世界中の人々を魅了しています。「全国市区・サステナブル度 ・SDGs先進度調査」で1位に選ばれるなど、SDGsへの取り組みにも力を入れており、しなやかで強く、持続可能な魅力あふれる都市を目指しています。
導入環境
  • VMware vCloud Suite 7 Standard
  • VMware vCenter Server 6 Standard
  • VMware NSX Advanced per Processor

※ VMware vCloud Suite 7 Standard は VMware vSphereとVMware vRealize を含むバンドル製品です。

プロフェッショナルサービス テクニカルアカウントマネージャサービス(TAM)

※本文中に記載されている会社名及び商品名は、各社の商標または登録商標です。
※本記載内容は2021年5月現在のものです。

 

おすすめ資料ダウンロード

最新の「導入事例」

人気の記事

関連情報

TOP