ネットワーク機器に対する負荷が増大
HCIにホストサーバ(ノード)を追加するたびに、各ネットワーク機器に対する負荷もどんどん高まっていきます。
HCIのハイパーバイザー上で標準スイッチを利用している場合、標準スイッチごとに設定が必要となります。これらの標準スイッチは同じポートグループ内の通信こそ最適に処理できますが、L3通信に関してはノード外部の物理ルーターに処理を委ねます。「要するに同一ノード内の仮想マシン間通信のトラフィックが外部の物理ネットワークにまで流れることになり、ネットワーク機器に大きな負荷がかかってしまうのです」と今泉氏は説明します。
ネットワーク機器への負荷が高まって処理能力の限界を超えた場合、より高性能な機器に買い替えるしかありません。これは非常に重いコスト負担であると同時に、あらためて設定もやり直さなければなりません。ネットワーク管理者の手間を増やし、作業ミスのリスクも高まるなど、どんどん悪循環に陥ってしまいます。
サーバ仮想化と同じことをネットワークでも実現
上記のような課題を解決する方法はないものでしょうか。実は画期的な策があります。それはネットワークを仮想化して柔軟なネットワークを確立するというものです。
「すでに多くの企業で導入されているサーバ仮想化は、各々のホストサーバ上で論理的なコンピュータがあたかも複数あるように見せかけるものです。これをネットワーク環境でも似たような仕組みを適用することができます。。物理的なネットワークと抽象化された論理的なネットワークを分離し、各ワークロードに対してL2、L3、L4の通信サービスを提供するネットワーク機器があたかも複数あるように見せかけるのです。サーバ仮想化とネットワーク仮想化をセットにすることで、本当の意味でSDDC(Software-Defined Data Center)を実現することができます」(今泉氏)
そしてヴイエムウェアではネットワーク仮想化のソリューションとしてVMware NSX® Data Centerを提供しています。Standard、Professional、Advanced、Enterprise Plusという4種類のエディションがありますが、最もベーシックでリーズナブルなStandardでもL3スイッチを仮想化し柔軟なネットワークを実現すると同時に、その仮想ネットワークを仮想マシンと同じVMware vCenter Server®で一元管理することが可能となります。
仮想マシン間の通信を可能な限りサーバで処理
実際にVMware NSX Data Center Standardでネットワークを仮想化することで、VMware vSphere®ベースのHCIの運用はどのように変わるのでしょうか。簡単に言えば、仮想マシン間の通信は可能な限りサーバ側で処理されることになります。
「その結果、同じノード内の仮想マシン間通信(L3通信)が仮想スイッチで処理されるのはもちろん、異なるノードをまたいだ仮想マシン間通信も外部ルーターやL3スイッチを経由することなく完結します。また、HCI内のネットワーク変更はGUI上で変更や管理が可能となり、ネットワーク管理者の属人化を解消してチーム内でのノウハウの共有、後任者への引継ぎも容易になります」(今泉氏)
このようにVMware NSX Data Center Standardを活用することで、よりクラウドライクなHCIの活用および運用管理に近づくことが可能となります。
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