前回に引き続き、今回もハイパーコンバージドインフラをテーマに実例を交えて、ご紹介をさせていただきます。
今回は、実際にご導入をいただいたお客様が抱えていた課題とハイパーコンバージドインフラの導入で何が解決したのか?まで掘り下げ、早期に決断、実行したお客様が効果を得た背景に迫ります。前回の記事をまだ読んでいらっしゃらない方は、ぜひ前回分も併せてご一読ください。
サーバレイヤーに続くコスト削減のターゲットはストレージ
多くのお客様が仮想化による最適化を実現する対象としてサーバの次は、”仮想サーバ環境におけるストレージ”を意識されているのではないでしょうか?
まずは早期にハイパーコンバージドインフラを導入したお客様での導入効果をご紹介いたします。
事例(1):アットホーム株式会社
[ビジネス背景とIT課題]
不動産業務が紙媒体から電子媒体へ急速にシフトする中、業務環境を支えるインフラ基盤にも、スピーディなサービス提供が求められます。その実現に向け、早期にサーバ仮想化を取り入れ、物理から仮想へのシフトを進めていきました。
サーバ仮想化の推進が進む中で、”仮想環境ならでは” のストレージ課題に行き着きました。
IT課題
- サーバとストレージのライフサイクル不整合
共有ストレージに、導入時期が異なる複数の仮想基盤が接続されている環境では、ストレージリプレース時にリプレース対象以外の基盤にまで影響範囲が広がる
- インフラ運用内製化への障壁
ストレージ固有に技術的なハードルの高さが運用内製化における障壁
[ハイパーコンバージドインフラの導入の効果:HCI導入が課題解決につながった理由]
アットホーム株式会社様ではこのようなIT課題をハイパーコンバージドインフラを導入いただくことで解決することができました。
- ライフサイクル不整合の解決
物理サーバとその内蔵ディスクを用いたアーキテクチャがサーバとストレージのライフサイクルを統一
- vSphereとの親和性が高いストレージ仮想化機能でストレージまで含めた運用内製化
これまでに培った、vSphere の運用経験をVMwareベースHCIで有効に活用、拡張など従来は複雑性の高かったストレージ構成変更までも内製化
[初期導入から現在までの経緯]
- 最小構成での初期基盤導入と入念な性能、安定性検証 (2015年初旬)
- 想定以上の検証結果を受けて、本格的な利用を開始
- 導入から半年後にはリソースを使いきり、2台の物理サーバをスケールアウト増設
- 2016年3月に新規で3台のクラスタを追加
*新規クラスタ追加の理由は、”クラスタ内でのライフサイクル不整合” を抑制するため - 2017年5月末現在、さらにクラスタの追加もあり、計3クラスタを運用
- 初期導入から2年以上が経過する現在まで、トラブルなく安定した稼働を継続