課題を解決

VDI環境のクラウドシフトを実現
オンプレミスで顕在化した課題をVMware Horizon on AVSで解決

2022/11/18

多くのお客様にオンプレミスでVMware Horizonを用いたVDI(仮想デスクトップ)環境をご利用いただいています。しかし、さまざまなITインフラやシステムのクラウドシフトが進む中で、VDIもクラウドで運用したいという要望が高まっており、これまでと違った課題が顕在化しています。これを解決する有力なソリューションとして、VMware Horizon on Azure VMware Solution(以下、VMware Horizon on AVS)を紹介します。


目次


オンプレミスのVMware Horizon における一般的な課題

従来のオンプレVDIやクラウド化検討時における課題

  1. オンプレVDIの運用における課題

    データセンター内のインフラの運用管理や、物理ハードウェアの性能維持などに費やす作業工数がIT部門の重い負担となっています。また、VDIユーザーの増加や利用負荷の増大に対応するためリソースを追加したいと思っても、昨今の半導体不足で機器の納期が大幅に遅延し、スケジュールの目途が立たないといった問題が発生しています。

  2. クラウドシフトにおける技術面での課題

    他のITインフラと同様にVDIについてもクラウドへの移行が求められる中で、「オンプレミスのVDIと同等の機能がクラウドでは使えない」、「オンプレミスのVDI で培ったノウハウを活かせない」、「一斉にクラウドに移行することができずオンプレミスとの並行稼働が避けられない」といったことが懸念されています。
    一方、今後もオンプレミスのVDIをメインで使うことを前提としながらも、激甚災害発生時などの業務継続性を確保するため、VDIのDR環境をクラウド上に用意したいというニーズも拡大しています。

  3. クラウドシフトにおけるコスト面での課題

    オンプレミスのVDIを段階的にクラウドに移行する場合、両方の環境にVMware Horizonを展開することになり、ライセンスコストの増大が懸念されます。そのため、クラウドに移行しやすい新たなライセンス体系が求められます。

VMware Horizon on AVSによる課題解決の概要

上記の課題をVMware Horizon on AVSが解決します。基本的にオンプレミスと同じアーキテクチャーのもとでクラウド(Microsoft Azure)上にVDIを展開するため、これまで培ってきたVMware Horizon やVMware vSphere のノウハウやメリットをそのまま継承することができます。

インフラ部分の運用保守をオフロードして作業負荷を軽減するほか、ネイティブのAzureサービスとして提供されている高度なVDI 管理機能やセキュリティ機能をAzure VMware Solutionと連携させて利用することも可能です。

VMware Horizon on AVSとHorizon Cloud on Microsoft Azureの違い

VMware HorizonのVDIをクラウドで利用する手段として、VMware Horizon on AVSのほかにHorizon Cloud on Microsoft Azureがあります。この2つの方法の違いを解説します。

VDIの展開オプションの違い

VMware Horizon は従来から提供してきたオンプレミスへの展開に加え、今回主にフォーカスするVMware Horizon on AVS、Horizon Cloud on Microsoft Azureといったさまざまな展開オプションが用意されています。

では、VMware Horizon on AVSとHorizon Cloud on Microsoft Azureはどこが違うのでしょうか。VMware Horizon on AVSはAzureのIaaS上に構築されたVMware HorizonベースのVDI環境です。これに対してHorizon Cloud on Microsoft Azureは、Azureから提供されるVMware Horizon CloudベースのDaaS(Desktop as a Service)となります。

アーキテクチャーの違い

上述のようにVMware Horizon on AVSはVMware Horizon、Horizon Cloud on Microsoft AzureはVMware Horizon Cloudという別製品を基盤としているため、アーキテクチャーが異なります。

VMware Horizon on AVSとオンプレミスのVMware Horizon のアーキテクチャーは基本的に同じであるため、これまでオンプレミスで利用してきたクローニングや監視、APIなどのテクノロジーもそのまま継続して利用できます。オンプレミスと同等の非常に高い設計柔軟性をもちながら、インフラ部分はクラウドのメリットを享受することが可能です。

一方のHorizon Cloud on Microsoft AzureはVMware vSphereとは異なるAzure独自のハイパーバイザーを利用しているため、オンプレミスのVMware Horizonとはアーキテクチャーが異なります。したがってオンプレミスで利用してきたVMware Horizonベースの周辺システムやテクノロジーも利用不可となります。

また、VMware Horizon on AVSにはVMware NSX-Tが実装されているため、標準でマイクロセグメンテーションを実現するなど強固なセキュリティを確保することができます。これに対してHorizon Cloud on Microsoft Azureでマイクロセグメンテーションを実現するためには、別製品を導入しなければなりません。

利用メリットの違い

VMware Horizon on AVSとHorizon Cloud on Microsoft Azureのそれぞれのメリットを整理すると、下図のとおりとなります。

したがってVMware Horizon on AVSは、すでにオンプレミスでVMware Horizonを使用しているお客様がクラウド移行を進めていくケース、これまでのVDI の知見/運用を踏襲したいケース、高いカスタマイズ性を求めるケースなどに特に適しています。もちろん、これから新たにVDI を採用されるお客様にも、VMware の他製品との連携などメリットを感じていただけるクラウドVDIのソリューションですので、オンプレミスのVMware Horizon をご使用中のお客様に限らずご検討いただけます。

一方のHorizon Cloud on Microsoft Azureは、クラウドVDIをよりシンプル/スモールスタートしたいお客様、クイックにDaaS を利用開始したいお客様などにおすすめです。

VMware Horizon on AVSによる課題解決と活用メリット

オンプレVDIの運用面の課題解決

VMware Horizonの基盤となるVMware vSphereを含めたSDDC部分はIaaS で提供されるため、お客様は物理ハードウェアの拡張などの管理から解放されます。また、物理機器の手配やデータセンター作業などもAzure側にオフロードされ手間を省けます。

クラウドシフトにおける技術面での課題

VMware Horizon on AVSを利用することで、VMware vSphereおよびVMware HorizonベースのVDIをクラウドに構築することができます。

オンプレミスのVMware HorizonとHorizon on AVS はソフトウェアレイヤーで基本的にはアーキテクチャーに違いがないため、オンプレミスのVMware Horizonで培ったVDIのノウハウを活かしながら、VDI のクラウド化を推進することが可能です。「一斉にクラウドシフトができない」という、多くのお客様が抱える課題に対しても、オンプレHorizon とHorizon on AVS の並行稼働により、段階的なクラウドシフトを進めることで解決が期待できます。

また、オンプレミスとクラウドをシームレスに連携させるハイブリッドアーキテクチャーであるCloud Pod Architecture (CPA) のもとで双方のインフラ間のフェデレーションを実現するため、バースト的なリソース拡張や災害対策にもVMware Horizon on AVSを活用することができます。

クラウドシフトにおけるコスト面の課題解決

VMware は、オンプレミスやハイブリッドクラウド/マルチクラウド/シングルクラウドといった、今日のあらゆるVDI環境に適したHorizon のライセンスを用意しており、お客様のご要望にあわせた最適な選択が可能です。また、Horizon のライセンスをすでにお持ちのお客様向けには、サブスクリプションライセンスや上位エディションへのアップグレードパスも用意されています。

まとめ

VMware Horizon on AVSは、オンプレミスのVMware Horizonをご利用中で、クラウド活用を検討されいてるお客様や、オンプレミスでの運用に課題をお持ちのお客様に、大変大きなメリットを実感していただけるソリューションとなっています。この機会にぜひご検討いただけると幸いです。

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