2020年7月より最小2ノード構成に対応したVMware Cloud on AWSのサービスが開始され、今までより小規模な環境からの利用が可能となりました。クラウドならではの柔軟な課金体系でサービスを提供するとともに、お客様側でのSDDC環境のライフサイクル管理や障害監視などの工数削減にも貢献することで、将来のマルチクラウド化まで見据えたクラウド移行・活用をサポートします。
2ノード構成VMware Cloud on AWSの提供開始
VMware Cloud on AWSとは
VMware Cloud on AWSは、ヴイエムウェアとAmazon Web Service(AWS)が共同で開発し、ヴイエムウェアが提供するホスト占有型クラウドサービスです。AWSのグローバルインフラ(ベアメタルサーバー)上にVMware vSphere、VMware vSAN、VMware NSXなどのSDDC(Software Defined Data Center)製品を実装し、VMware vCenter Serverで運用を行います。すなわちオンプレミスの仮想基盤と一貫性をもった管理をAWS上で実現することができます。
さらに標準提供のVMware HCXを使用した場合、オンプレミスとVMware Cloud on AWSの間をL2延伸することも可能。オンプレミスの仮想基盤で運用していたワークロードをほぼそのまま、最短期間でクラウドに移行できます。
最小2ノード構成からのスタートが可能に
日本(東京リージョン)でVMware Cloud on AWSのサービスが始まったのは2018年11月のことで、その後も約3か月に1回のペースで新機能の拡張とエリアの拡大が図られ、現在では全世界17のAWSリージョンからサービスが提供されています。
そして2020年7月16日、すべてのリージョンにおいてVMware Cloud on AWSの最小構成が3ノード(i3.metal)から2ノードへと変更されました。従来は3ノードより少ないホスト構成では有事の際にデータの整合性を担保するのが困難とされていましたが、その技術的な課題点を解消することで、2ノードでも3ノードと同等のSLAを満たすことが可能となったのです。
これにより「もっと小さな構成からスモールスタートしたい」という企業の要望に応え、従来の2/3のコストでVMware Cloud on AWSを始められるようになりました。
現在のVMware Cloud on AWSから提供されているi3.metalインスタンスは、物理CPU48コア、物理メモリ512GBの高度なハードウェアスペックを搭載することが可能で、4~5年前には3ノード以上が必須だったワークロードにも2ノードで十分に対応できます。
VMware Cloud on AWS サービスに含まれる内容
- ハードウェア (ベアメタルサーバー i3. metal)、および関連するデータセンター関連機器 (NWスイッチ、ラック、ケーブル等)、また、その保守・メンテナンス費用
- VMware製品 (vSphere, NSX, vSAN)のライセンス費用、およびそのサポートやアップグレード等の運用費用
- データセンター利用に付随して発生する料金 (スペース、電気代、設置・導入作業費用等)
小規模からのクラウド移行へ
小規模拠点や支店などで稼働しているシステムをクラウドへ移行したい、段階的にクラウド化したいとお考えのお客様にとって、2ノードVMware Cloud on AWSは最適な構成となります。
ここで注意していただきたいのは、単にサーバーの購入費やVMware vSphereのライセンス費のみでコストを考えないことです。先述したようにVMware Cloud on AWSにはVMware vSANやVMware NSXのほか、以降で説明するVMware vRealize Log Insight Cloudによるログ監視機能も含まれています。さらに、ストレージやネットワーク、ラックなどファシリティー費用やサポートを含んだ3年間の総コストを考慮したとき、2ノードVMware Cloud on AWSはスモールスタートでクラウド移行・活用を進めていくための有力な選択肢となります。