共有ストレージを不要にする“vSAN”とは
VMware vSphere® 5.5の新機能として提供される「vSAN(VMware® Virtual SAN™)」を利用することで、仮想化基盤で必須とされてきた共有ストレージは不要となります。vSANを利用することで従来よりも圧倒的に手軽に、なおかつ低コストで本格的な仮想化基盤を構築することが可能となるのです。
ローカルディスクを仮想的に束ねた統合データストア
仮想化基盤を構築する際に重いコスト負担を強いられた共有ストレージは、今後不要となります。それを実現するのが、vSANです。
vSANは、各ホストサーバに内蔵されているSSDやHDDなどのローカルなディスクを仮想的に束ね、単一の統合データストアとして運用します。また、自動的にvSANデータストアとして各ホストから見える様になります。その為、FCプロトコル等の専門知識や高価な設備は不要となります。
VSANの特徴
- 単純にホストサーバを増設するだけで、簡単に共有ストレージの容量やI/O性能を拡張することができる。
- 仮想サーバのデータは、ポリシーに従い2台以上のホストサーバのローカルディスクに冗長化されて保存される。万一、いずれかのホストサーバに障害が発生した場合でも、データは保護されるため、運用に支障は生じない。
- vMotionをはじめ、DRSや HAなどの機能を活用した高信頼の仮想化基盤を実現する。
- vSAN 5.5 は、 3 〜 32 台のホストサーバ構成で利用することが可能。
SSDを有効活用して高パフォーマンスを発揮
vSANは、ホストサーバに内蔵されている高速なSSDを効果的に活用することで、仮想的な統合データストアのI/O性能をさらに高めます。具体的には、すべての書き込みデータをいったんSSDに蓄えた後、余力時間を使ってHDDに移します。また、読み出しデータについてもSSDをキャッシュとして利用します。
SSDとHDDの特性に合わせた運用設定
- 仮想化基盤を一元管理する「VMware® vCenter™」から、各ホストサーバに内蔵されている任意のSSDおよびHDDに対して利用割り当ての設定を行い、ポリシーに基づいた統合データストアの運用を実現。
- 初期設定では、SSDの30%をデータ書き込み用のバッファに、70%をデータ読み出し用のキャッシュとして使用する。