多くの企業にとってクラウド利用が“当たり前”となる中で導入や検討が加速しているのが、VDI(仮想デスクトップ)をサービスとしてクラウドから提供するDaaS(Desktop as a Service)です。ある調査会社の報告によるとDaaSは年間30%近い成長を見せています。
仮想デスクトップをクラウド(DaaS)で利用するケースとは
DaaSを検討するケース(1) “人”に起因するパターン
具体的にどんな課題を抱える企業がVDIよりもDaaSを選択しているのでしょうか。
ひとつのトリガーとなっているのが“人”に関する課題です。「VDIを導入したいけれど、サーバやストレージ、ネットワーク、仮想化ソフトウェアの設計・構築など、これまで経験したことがなくスキルもない」「システム構成が複雑で、性能問題や障害が発生したときに対処できる自信がない」「なんだか運用が大変そうで専任者もいない」といった課題に対して、DaaSは有効なソリューションとなります。
VDI導入における“人”に関する課題
- VDI導入を検討したいが設計・構築の経験やスキルがない
- ITの運用管理者が少なく追加システムの運用に時間を割くのが難しい
- 新たなハードウェアを導入したいが導入や構築にかける時間がない
DaaSを検討するケース(2) “方針”に起因するパターン
今後は自社内にIT資産を持たず、クラウドを活用していくという方針を打ち出した企業にとってもDaaSはVDIよりも有力な選択肢となります。ビッグバン的に社内の物理PCをDaaSに移行するのではなく、一部の業務から導入を始め、ユーザーの声を聞きながら段階的に適用範囲を広げていくケースもよくあります。
VDI導入における“方針”に関する課題
- すでに多くのシステムをクラウドに移行しており、資産を持たない方針が決定している
- 試験的に一部の従業員から利用させたい(スモールスタートしたい)
そのほか「検証・テスト環境に費やしているコストを削減したい」「Windows 10への移行が間に合わない」「もっとタブレットなどのモバイル端末を活用したい」といった課題の解決策としてもDaaSは効果的です。
デジタルワークスペースの一環となるDaaS
ヴイエムウェアではデジタルワークスペースを実現する「VMware Workspace ONE」の一環としてVMware Horizon® CloudというDaaSを提供しています。
VMware Workspace ONEの1つのソリューションとして展開
現在の企業のIT環境には多様なデバイスが混在し、ユーザーの間にもスマートフォンやタブレットをビジネスでもっと自由に使いたいという声が高まっています。とはいえセキュリティのリスクを考えると好き勝手に使わせるわけにはいかず、社内では「自由と管理のせめぎ合い」が顕在化しています。
この課題を解決するためヴイエムウェアが提供しているのがVMware Workspace ONE™です。多様なデバイスを利用するユーザーに対して、コンシューマー製品のようなシンプルな使い勝手を提供します。同時に管理者に対しては、エンタープライズレベルのセキュリティを提供します。デスクトップ/アプリケーション仮想化、統合エンドポイント管理、ID管理およびアクセス制御などの機能を統合したVMware Workspace ONEの基盤の1つとして、DaaSソリューションのVMware Horizon Cloudが位置付けられています。
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