導入事例

【VMware Workspace ONE 導入事例】 上田八木短資株式会社 様

2022/05/31

iPhone、WindowsなどのマルチデバイスをVMware Workspace ONEで一元的に管理
金融業界で必須の高度なセキュリティ基盤を構築

国内短期金融市場における資金仲介のスペシャリストとして、金融機関の円滑な資金運用・調達を支える重要な役割を担う上田八木短資株式会社。コロナ禍におけるリモートワークの拡大によって、スマートフォンやWindows PCなどの業務端末を社外に持ち出す機会が増える中、同社は金融業界で求められる強固なセキュリティ基盤の構築に向けて、VMware Workspace ONE(以下、Workspace ONE)を導入。マルチデバイスの一元的な管理基盤を構築するとともに、情報システム担当者の管理負荷を10分の1以下に軽減しています。

導入前の課題

  • iPhoneやWindowsなどOSが異なるマルチデバイスの一元管理
  • データ漏洩の防止など、デバイスのセキュリティ強化
  • SaaSアプリの利用に対応した認証基盤の整備

導入効果

  • マルチデバイスの一元的な管理体制、セキュリティの強化
  • コロナの感染状況に対応した柔軟なリモートワーク環境
  • アプリの配布や利用制限など、デバイスの管理負荷の大幅な軽減
「当社では持続的なビジネスを支える基盤として、iPhone、Windows PCなどのマルチデバイスを用いて、すべてのアプリ、データといったIT資産を共通の操作で利用可能とする『デジタルワークスペース』の構築を目指しています。Workspace ONEの導入は、そのファーストステップとしての位置づけになります」

プロジェクトメンバー

リモート環境におけるマルチデバイスの一元管理を支えるMDMの導入が課題に

1918年の創業以来、国内の金融機関同士の資金融通を仲介するスペシャリストとして、社会的責任に基づく「正」「清」「誠」の“三セイ主義”を行動規範に掲げ、短期金融市場という金融インフラを支え続ける上田八木短資株式会社。

金融サービスを提供する同社のビジネスにおいて、セキュリティは従来から最優先の経営課題として位置づけられてきましたが、昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大は、これまでのセキュリティ対策を見直す大きな転機をもたらしました。

新たに浮上した課題の1つとして挙げられるのが、リモートワークによって社外に持ち出されることが多くなったスマートフォンやWindows PCといったOSが異なる業務端末、マルチデバイスのセキュアな管理です。それまでも業務端末のデータは市販のソフトを使って管理していたものの、アプリの管理はユーザー任せでセキュリティ上は好ましくない状態でした。情報システム部長の佐藤勝利氏は次のように語ります。

「当社にとってセキュリティは、事業継続性と並ぶ最優先の経営課題です。短期金融市場における資金仲介を担う立場から、何らかの問題が発生したとしても速やかに取引を復旧できなければならないことは金融当局からも指導を受けています。そのため、自然災害などを想定した事業継続性の確保はもちろんのこと、セキュリティ上のインシデントによる事業の停止も絶対に避けなければなりません」

そこで同社が検討に着手したのが、デバイスを紛失した際に遠隔操作でデータを消去したり、アプリの配布や利用制限といった制御が行えるモバイルデバイス管理(MDM)ソリューションの導入でした。

「当社では持続的なビジネスを支える基盤として、iPhone、WindowsPC などのマルチデバイスを用いて、すべてのアプリ、データといったIT資産を統一的な操作で利用可能とする『デジタルワークスペース』の構築を目指しています。MDM の導入は、そのファーストステップとしての位置づけになります」(佐藤氏)

MDMほか将来的な要件にも対応したWorkspace ONEの多彩な機能

複数のMDMソリューションを比較検討した結果、上田八木短資は最終的にWorkspace ONEの導入を決定しました。その理由について、佐藤氏は次のように説明します。

「当社では、2012年のVMware vSphereの導入に続いて、VMware vSAN、VMware NSXを導入し、IT基盤を段階的に強化しています。このことを踏まえるとVMware製品の安定性と信頼性、またWorkspace ONEとの親和性は大きな決め手となりました。またWorkspace ONEはMDMだけでなく、MAM、MCM、MEMなどの機能も搭載されていて、今後対応しなければならない要件をすべて満たしていました」

プロジェクトのキックオフに先立って、同社ではWorkspace ONE のMDM機能を中心としたPoCも実施しました。情報システム部の栗山大輝氏は「PoCの主な検証ポイントは、アプリの配布とデバイスに保存したデータを遠隔消去するワイプ機能の2つです。ここでは検証環境を用意していただくなどSB C&Sの支援を通じて、期待した通りの検証結果を得ることができました」と振り返ります。

その後、Workspace ONEの導入は2021年7月から8月にかけて進められ、PoCの検証結果をもとに標準機能を最大限に活用することで、わずか1カ月半という短期間で導入を完了することができました。

アプリの配布などはすべてリモートで対応
運用管理の負荷は10分の1以下に軽減

2021年8月から本稼働を開始したWorkspace ONEは、新たな統合エンドポイント管理の基盤として、デバイスのライフサイクル管理、アプリの配布や利用制限などの管理のほか、リモートロックやリモートワイプなどの用途で活用されています。

2022年3月末時点でWorkspace ONEが管理しているデバイスは、iPhoneが30台(一部iPad)とWindows10のノートPCが62台です。iPhoneは経営層、情報システム担当者のほか、本社以外のオフィスで働く社員に配布し、東京と大阪の本社間のやりとりや緊急時の連絡に利用しています。Windows 10のノートPCは、リモート環境で働く社員、また出張でPCを社外に持ち出すことが多い社員を対象としています。

デバイスにインストールしているアプリは、iPhoneがWeb会議用の「Zoom」「Webex」「Microsoft Teams」などで、これらは監視モードで制御しています。また、SaaSアプリとして名刺管理の「Sansan」やERPの「奉行クラウド」なども利用し、ここではSAML認証でシングルサインオンを実現しています。

Workspace ONEの導入成果としては、マルチデバイスの一元的な管理体制の確立、社外持ち出し用を含めたデバイスのセキュリティ強化、コロナの感染状況に対応したリモートワークの基盤整備などが挙げられます。

「コロナ禍における業務の継続に貢献できたことはもちろんのこと、セキュリティレベルも格段に高まりました。端末を紛失した際のリモート対応やデバイスの私的利用の抑止効果は、MDMソリューションならではのメリットです」(佐藤氏)

運用面では、iPhoneへのアプリの配布がリモートで対応できるようになった効果は大きく、管理者とユーザーの双方の負荷軽減につながっています。

「従来はユーザーがiPhoneを会社に持参する、あるいは郵送で送ってもらって、アプリのインストールは手作業で行っていました。Workspace ONEの導入によって、これらの作業をすべてリモートでできるようになった結果、デバイスの運用管理の負荷は従来の10分の1以下に軽減しています」(栗山氏)

社内ネットワークへのアクセス認証をWorkspace ONEの管理下へ移行

今後について、すでに上田八木短資ではWorkspace ONEのさらなる活用に向けた計画が具体化しつつあります。1つは、SaaSアプリの認証連携の拡大です。業務の効率化につながるSaaSアプリを順次追加しながら、シングルサインオンによる利用を実現していく計画です。さらにアプリの増加に合わせてWorkspace ONEのMAM機能を活用してアプリカタログを作成し、ユーザーがすべてのデバイスから容易にアクセスできるようにすることも検討しています。

もう1つは、リモートアクセスへの対応です。現在はSSL VPNの機能を利用している社内ネットワークへのアクセスをWorkspace ONEによる認証に統合し、社内、社外と働く場所を問わずにデバイスを制御していく考えです。

「これにより、社内ネットワークで管理しているWindows PCもWorkspace ONEの配下に置くことが可能になり、管理端末は150台近くまで増える見通しです」(佐藤氏)

最新のテクノロジーを活用して金融ビジネスを支えるIT基盤の強化に取り組み続ける上田八木短資。同社が目指す「デジタルワークスペース」の構築に向けて、VMwareのソリューションは今後も大きな役割を果たしていくはずです。

プロジェクトメンバーのご紹介

上田八木短資株式会社 情報システム部長 佐藤 勝利 氏
上田八木短資株式会社
情報システム部長
佐藤 勝利 氏
上田八木短資株式会社 情報システム部 栗山 大輝 氏
上田八木短資株式会社
情報システム部
栗山 大輝 氏

お客様情報

お客様名 上田八木短資株式会社
WEBサイト https://www.uedayagi.com/
カスタマープロフィール 1918年創業の上田短資と、1935年創業の八木短資の2社が2001年7月に合併して誕生。現在は短期金融市場における資金仲介のスペシャリストとして、インターバンク市場取引(金融機関が参加する市場で行う取引)、オープン市場取引(金融機関と一般事業法人が参加する市場で行うCD・CP・国債短期証券等の取引)などを主な業務としている。
導入製品 VMware Workspace ONE
導入パートナー

※本文中に記載されている会社名及び商品名は、各社の商標または登録商標です。
※本記載内容は2022年4月現在のものです。

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